パパとRE-tech起業と不動産運営と

25歳から10年以上大家してます。今まで6棟購入⇒4棟売却済。郊外築古APから都内新築へシフトしてます。1年前から専業大家に転身し、現在は大手賃貸ポータルサイトの空室募集状況を簡単に分析できる、大家さんのためのサービス「チェックル」https://checkru.jp/ を運営中。サービス開発と不動産運営の合間に感じたことを世界の片隅からつぶやきます。

インスタグラムで部屋探しする若者達

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先日、ウチコミさん主催のセミナーに参加しました。

 
前半は少し退屈な内容だったのですが、第3部の永井ゆかり氏(不動産業界では有名な「家主と地主」という専門誌の編集長)で、面白いお話を聞くことができました。

「賃貸経営を勝ち抜く!満室オーナーが必ずしている5つのこと」

 というのが講演タイトルだったのですが、満室経営されているオーナーさんは自ら新しいメディアへの露出を積極的に試しているというお話があり、今の若者のメディア接触を考えれば、instagramYoutube,Twitterなどももっと考慮しても良い、というお話でした。

 youtubeTwitterはわかるけど、Instagram...??って思ったのですが、実際にInstagram経由で集客に繋げている例として、goodroomさんの事例を挙げられてました。

 

www.instagram.com 

アカウントを見ると毎日1〜2投稿されており、確かにどの写真もイケてる。

f:id:paparere:20170720170452p:plain

 

フォロワーは4万人弱程度で、多分インテリア好きの若い女性が中心層。どの写真にもいいねの数が500〜700程度はついており、かなり活発です。こういう風に紹介された部屋に興味を持ち、問い合わせに繋がる例が出てきているようです。 

フォトジェニックでSNS映えするかどうかでお店選びする若者達

上記関連で、この話を思い出しました。

Instagramの写真でレストランを探す「Quippy」新登場 | iPhonePLUS

 今の若い人達は、フォトジェニックでSNS映えするものが大好きなので、飲食店も食べログなどでは探さず、SNSで友達が投稿していた写真をみながら、今度行きたい飲食店を探すそう。なので上の記事のように写真から飲食店探しができるサービスも登場したそうです。

 確かにインテリアにこだわりたい人達にとって、SUUMOやHOMESなど汎用的な賃貸サイトでの部屋探しはフィットしないでしょうし、そういう探し方のニーズは出てきているんだなと思いました。同じノリですね。

 

 他にも探してたら、RoomClipさんはさらに桁違いのフォロー数といいね数でした。どの投稿も4000〜5000いいねついてますね。。

www.instagram.com

大家視点で考えて、空室募集や集客にどう生かすか?? 

まだこういうトレンドはニッチですし、インスタグラム映えすようなデザイン物件であれば、そもそも客付けに困ることはなさそうです。

ただ可能性として、例えばステージングサービス(空室に家具やインテリアを持ち込んでモデルルームとして撮影してくれるサービス)と組み合わせて利用してみるとかはあるかもしれません。

noblue.jp

 

ステージングサービスや自分でモデルルーム作りにトライし、その露出先としてインスタグラムに露出させる(上記のようなアカウントにリツイートしてもらうとか)、みたいなことを実験的に試してみるのは面白いかもなと思いました。自分でも機会があれば一度試してみたいなと思った次第です。

 

もし、もしもですが、運よくそういうインテリア好きで写真撮影させてくれる入居者さんが自分の物件に住んでいるのがわかったら(中々わからないと思いますが…)、交渉して写真使わせてもらえないか聞いてみるべきですね。

 

 

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新築時より家賃を5000円高くしたにもかかわらず、退去当日に入居を決められた話

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6月の末、退去が出たのでその時のお話です。 

自分の保有物件(鎌倉)のご紹介

少し前に、鎌倉で土地を購入し新築アパートを建てました。

鎌倉は元々好きな場所で、こんな場所に建てられたらいいな~とずっと探していました。調べていくうちに、鎌倉は都内並に家賃が高く、一方で賃貸住宅の供給がとても少ない希少なエリアだということが分かりました。これは良いと思い、さらに探し続けてやっと頃合いの土地を見つけました。駅から徒歩圏で海にも近く、場所的には申し分ない立地です。設計士さんと相談しながらボリュームプランを作り、利回り9%は取れそうなものができそうだったので、金融機関にいくつかあたり融資もつけられたのでGOしました。

鎌倉から都内に通うようなこだわり派の高所得者向けに、35平米程度+ロフトの部屋が6戸で広さにゆとりがある居室とし、天井高も高くとりました。また、無垢材を床や壁面に活用した贅沢な仕様にしました。

真夏の8月竣工だったのと、当初より強気の家賃設定をしたため、満室まで3ヶ月ぐらいかかりましたが利回りはさらにあがり、ジャスト10%にすることができました。

退去のお知らせが…

初めての自主管理でしたが、特にトラブルもなく新築はやはり楽だな~と思いながら過ごしていたら、一部屋が6月退去というお知らせが来ました。正直、新築プレミアムを意識した強気の家賃設定でしたので、新築を過ぎたら家賃を下げて募集しないといけないかもしれず、これはやばい!と一念発起しました。

色々と工夫して募集をかけた結果、タイトルのとおり5000円UPに成功し、さらに退去当日に入居決定となったので、どう募集したかについてお伝えしたいと思います。

(更新:その後もいくつか退去がでましたが、全部屋とも退去当日までに5000円UPで入居付けができました。「あの部屋はすぐ埋まる!」というイメージを仲介会社さん達にも持ててもらえたのが大きいかもです)

 

募集に際して行ったこと

①家賃設定をむしろ上げてみた

といってもそんなにトリッキーなことはしていません。

まず家賃についてはむやみに下げたくなかったのと、6月末入居というのは割と湘南エリアにとってはハイシーズン(やはり夏に湘南エリアは一番楽しめますよね。)だろうと判断し、後で価格交渉が入ったりした時のバッファという意味でも、前回よりも実験的に家賃を上げて募集することにしました。36平米で11万円を越えるくらいなので、普通に考えたら高めだとは思ったのですが、デザイン物件でロフトがかなり広く体感面積としては50平米近くあること、鎌倉駅まで徒歩圏でいて海にも近い、ということで立地がよいこと、競合物件が少なく相場価格帯の幅がわりと広いことを考慮し、値段設定は前回より5000円高くしました。

②退去前の申し込みに「フリーレント」をつけた

退去が6月末だったのですが、空室が長引かないように「6月中に事前申し込みをしてくれたら7月分はフリーレント」という特典をつけることにしました。もちろん退去後に内覧してもらい、気に入らなかったら事前申し込みは取り下げることができるという条件です。

このやり方だと気に入った方は「後で取り下げられるならまずは申し込んでおこう」という気持ちになりやすいですし、複数申し込みを事前に集めて競ることになれば、人の気持ちとしては引き下がりづらくなり、判断も早くしてくれるだろうという読みがあったからです。

更新:さらにあとで気づいたのですが、フリーレントをつけなくても結局のところ、入居時期で交渉入ることは多々あります。6月末退去で申し込みがすぐ入っても、なんだかんだ「入居は7月中旬からでもいいですか?」となることが多いです。であれば実質その差は2週間ですし、気持ちよくフリーレントつけてあげた方が入居者側もお得な気分で入ってくれるのでメリットがお互いにあります。

③デザイン特化型の賃貸ポータルサイトに掲載依頼を出した

また、業者さんへの声掛けを積極的に行いました。

前回、新築時も周辺の地元の業者さんには5,6社ほど一通り声をかけさせてもらったのですが、今回はそれに加えてR-STOREさんや稲村ガ崎R不動産さん、GOODROOMさんにも掲載依頼をしてみることにしました。

数多くの業者さんに募集依頼をお願いしても、広告料は成約した業者さんにのみお支払いすればよいですし、まずは集客の「面」をできる限り広げて募集することが大事ですね。

④プロの建築写真家の画像を提供した

自分は、Googleスプレッドシート(WEBで見れるプレゼンテーション資料です)に、物件詳細や間取りや募集条件をまとめ、建築写真家に撮影してもらった物件画像をGoogleドライブにあげて、すべての素材を業者さんに公開して自由に使ってもらっています。今回はまだ退去前で現状を撮影できないため、特に画像の支給は重要になりますし、こちら側でプロが撮影した画像を使ってもらえるのは募集上、非常に大切です。
(むしろ、退去後に仲介会社側で撮影した適当な写真を使ってもらうより、こちらでクオリティコントロールできる写真を使ってもらった方が反響的にも良いです)

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…工夫した点は、上記のようなことくらいでしょうか。

反響は想像以上だった。

メール経由で新規業者さんとやり取りをし、そこから物件取材や募集文面の編集などにだいたい2週間ぐらいかかってしまったのですが、そこからの効果は絶大でした。1週間のうちに反響が5~6件程度あり、退去前に申し込みもいただくことができました。

正直、何で新築時にこれらの業者さん達への依頼を思いつかなかったのか非常に後悔するほどでした。先行して、前回同様に周辺の業者さんにもお願いしていたのですが、そちらは通常通りというか、そこまでの反響はなかったです。自分の物件の響く層をキチンと把握し、その層に届く媒体を選択することの重要性を痛感しました。

とはいえ、最終的にはタッチの差で、新築時からお付き合いしていた地元の有力な会社様から即申込みが入り、内覧一番乗りで即答で申込いただけたので、やはり業者様への募集依頼は広く平等に行うべきだなとも思いました。

デザイン特化型の賃貸ポータルサイトの特徴

今回、新たにお声がけさせて頂いた業者様は、自社メディアの運営に持ち味があり、どのサイトも取り扱い物件を素敵な文面で紹介してくれます。なので、おしゃれな物件が好きなファン達が頻度高くサイトを訪れてきます。これらの人たちはすぐには引っ越す予定はないけれども、良い物件があったら検討するいう人たちも多くいるようなのですが、正直、今回ここまで反響をもらえることは想定していなかったので、今後の客付けに対しても大きな自信を得ることができました。

 

リノベーション物件やデザイン物件をお持ちの方は、積極的にこれらのサイトにも掲載依頼を行うべきだと思います。

好立地×新築×デザインの優位性を改めて痛感。

そもそも私は、今でこそ立地にこだわった新築物件に集中していますが、賃貸経営をはじめた初期は、郊外の空室だらけの築古高利回り物件をリフォームして運営していくことを10年程度続けていました。

 

その時代は、おしゃれにリフォームしようが、設備を充実させようが、広告料を2-3ヶ月だそうが、やはり3~4ヶ月は空室期間が空いてしまうのは当たり前、という状態でしたので、そのときを思うとまったく異世界の話にようにしか思えないです。

改めて、好立地で、設計から参加でき競争力を高められる新築アパートは、かなり手堅い不動産投資の手法だなと認識した次第です。

 

 

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IOTアパートの時代は到来するのか?

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先日、収益不動産の建設販売で有名なインベスターギルドが展開するTATERUブランドから、賃貸住宅向けIOTキットの販売リリースが出ました。

アプリではじめるアパート経営「TATERU(タテル)」の開発・運営を行う株式会社インベスターズクラウド(本社:東京都港区/代表取締役:古木大咲/証券コード:1435、以下当社)は、子会社であるロボットホームが開発を行う「賃貸住宅キット」のOEM提供により販売を行なっているIoTの賃貸住宅を提供できる「TATERU kit」について、新たにスマートロックとスマートライトをアパートの標準設備とすることを決定いたしましたのでお知らせします。


初めての現実的なIOT機器導入の選択肢。

従来にもスマートキーやリモートコントロールクラウドドアホンなどは、海外からの輸入品を中心に存在していましたが、設備工事や設定方法、それからメンテナンスリスクがどれくらいあるかなどを考えると、賃貸住宅に導入するような現実的な選択肢にはならなかったと思います。(ガジェット好きの人が自宅で楽しむくらいでしょうか。)

その点、アパートメーカーとして実績豊富な企業が満を時して投入して来た製品群ということで、個人的にはかなり期待しています。イベンスタークラウドさんは以前からIOT専門の子会社を設立して製品開発に当たっていて、かなりの本気度が伺えていましたので。

IOTやスマートホームは、「住宅の進化」という意味では本命本流の流れだと思いますし、居住者のQOLをかなりあげる要素になっていくと感じてます。一度慣れたら元には戻れなくなるでしょうね。

しかし、経験しないと人はいつまでもその生活を想像できないものなので、ホテルや賃貸住宅などで経験する場が広がっていくのは、IOT促進の普及シナリオにとって重要であり、その点でもインベスタークラウドさんは時代を切り開いていく覚悟と勝算を持っているのだろうなとリスペクトします。


全部導入すると初期コストは30万円+α程度?

メーカーページを見ると、賃貸住宅キット 80,000円、スマートキー(78,000円)やモニターホン(100,000円)は別途オプションのようです。またシステム利用料などで月1000円/部屋かかるようです。

工事費は別途でしょうね。これだけ見ると費用ハードルは高く感じます。
ドアモニタホン10万とか中々手出せないですよね。海外輸入品で評判をよくきくRINGとかは2万円台ですし。

Amazon|誰が来たか分からない? Ring WiFiカメラ付きドアベル [並行輸入品]|ドア周り防犯用品 通販


決して高いわけではない、むしろこれだけ多岐に渡るアイテムを一気に導入できることを考えると安いとは思いますが、現時点だと導入を積極的に考えられるのは限られたオーナーでしょうね。


民泊物件であれば導入検討の価値あり?

まあまずはインベスターズクラウドの取り扱い物件で標準設備として導入を進め、そこで実績や反響を確認しつつ、徐々に外販割合を太くしていくのでしょう。

既存物件に導入することを検討した場合、まず思いつくのは民泊用物件でしょうね。特に鍵の受け渡しや本人確認の手間が劇的に省け、運営コストを下げられるでしょうからかなり良い設備投資になるのではないでしょうか。総額で30万弱なので安くはないですが、導入例が増えて運用改善の度合いのレビューが出回れば、すぐに普及しそうです。

複数のアイテムを一括で導入でき、機器間の連携も最初から前提ですから、 IOT導入を試すチャンスとしてはハードルがかなり低いと思います。

また新築設計中の方であれば、良いオプションになるかもしれませんね。
新築であれば、各種器具も設備費の中である程度吸収できると思いますし、システム利用料も家賃の中に吸収できると思います。

今後の普及に期待。

もちろん本当に想定した使い方ができるのか、エラーを起こしたりメンテナンスが非常に手間だったりクレームになるかも、ということはありますが、これからの競争差別化になりうるIOT機器の可能性を普及初期で享受できるのであれば、まずは一部屋導入するところから様子見してみていいのではないかなと。

自分は民泊物件を持っていないので試せないですが、オーナーによる導入事例のレビューが今から楽しみです。


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RE-tech(Real Estate tech:不動産テック)を大家さん目線で読み解く

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RE-tech(Real Estate tech:不動産テック)とは何か?

Wikiによると、

概要[編集]

「不動産」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語で、不動産×IT分野で活躍するスタートアップ、不動産ポータルサイト運営企業などから生まれた新しい不動産サービスを意味する。

背景[編集]

日本の不動産市場は、世界の中でも透明性が低いと言われており、また産業別のデジタル化指数を見ても不動産関連の産業は軒並み低位に位置しており、もはや「時代遅れ」の産業となりつつある。その一方、近年では金融業界における「FinTech(フィンテック)」に続き、「Real Estate Tech」とも呼ばれる不動産テクノロジー企業が続々とベンチャー・キャピタルからの出資を受けて急成長を遂げている。[1]

とあります。各業界でインターネットやAI、IOTといった要素が大きなインパクトを与えつつありますが、不動産業界にもまた大きな変革の波が訪れています。

ここ数年の身近な技術革新を振り返る

振り返れば、このような言葉がでる前から、不動産業界にもテックによる変化はもたらされてきました。不動産オーナーの目線で考えると、楽待や健美家のような投資物件メディアの出現によって圧倒的に物件収集が楽になりましたし、GoogleMapやストリートビュー、地価MAPなど各種データのオンライン化などによって現地調査前にほとんどのことはわかるようになりました。また、携帯電話の発達と通信高速化によって、現地での追加的な情報収集も非常に簡単になりました。また少し前ではFAXも欠かせなかったですが、これも最近はメールで概ね代替できてきたように感じます。(ので我が家はFAXはもう捨ててしまいました)。ブログを使った大家さんの情報発信により、運営ノウハウも仕入れやすくなりましたね。

それらとRE-techってどう違うの??

それらの技術革新と、今盛り上がっているRE-techとは意味的に何か違うのでしょうか。私が思うに、RE-techという本質は、不動産業界の構造変化と破壊だと捉えています。

今までは「便利になって効率的になったなぁ」程度だった技術革新が、これからは、そのイノベーションを皮切りに不動産業界の構造自体が激変していくようなものになると思います。ちょうど、Fintech(フィンテック)が銀行や証券や保険などの既存業界を破壊するほどの存在になるだろうと言われているように。  

日本のRE-techはどんなものがあるか?

こちらをご覧ください。日本の不動産テック企業を集めた「カオスマップ」と言われているものです。
図表1 REAL ESTATE tech カオスマップ
【出所】リマールエステート株式会社(http://limar.co.jp)プレスリリースより引用

IOTやVR関連、メディアやマッチング、価格査定や相場可視化、toB向けの業務支援などがあります。ただ、この中でどれくらいのサービスを大家さんサイドはご存知でしょうか。また利用しているでしょうか。(一部の方は、スマートキーの導入やシェアリングサービスでの一時貸しなどにトライされているかもしれないですね。)

個人的な印象としては、まだまだ国内のRE-techというのは、toB向けの業務支援や効率化、toCに関しては借主や買主側を向いたサービスが多く、オーナー側を向いたサービス提供がまだまだ少ないように思います。

大家向けのRE-techはまだまだ少ない

それはなぜでしょうか。日本の不動産業者数は非常に多く、多岐の業務を至れり尽せりで引き受けてくれるのが利点です。なので個人オーナー側も諸業務を管理会社や仲介業者に丸投げする、というのが大勢でした。大家さんは投資家としての位置づけが強く、その運営は管理会社に任せれば充分であり、需要があまりなかったのかもしれません。

これまで重要だったオーナーのスキルは”ファイナンス”だった

むしろ、これまでの不動産オーナーの関心の多くは「ファイナンス」でした。まず入口にたつために、どれだけ多くの資金を調達し購入に踏み切れるか。昨今の不動産投資ブームの中で、銀行からの融資調達のノウハウ情報や、PLやCF、また税務を意識した運営はかなり当たり前になってきました。 

 しかし今後はファイナンスの情報に加えて、どれだけ物件の価値を高め、運営稼働を高められるか、そこにRE-techの要素を組み込むことができるか、という点が賃貸経営の競争優位性はなってくるのではないかと感じています。

なぜかというと、これからの時代は賃貸経営の難易度が非常に高くなってくる時代だからです。  

不動産経営の難易度が高まる未来

相続税の改正やマイナス金利による不動産投資への過剰融資が元で、市場は高騰し続け、新規竣工数は大幅に伸びました。結果として都内でも3割は空室といわれるほどに空室は積み上がっており、2050年には8000万人を下回るだろうと言われる人口減少社会の到来とあわせ、いま、不動産経営の難易度は確実に高まってきています。

衝撃的な未来の詳しい話はこちら↓

paparere.hatenablog.com


もはや業者に丸投げでは、不動産の運営は立ちいかなくなっています。オーナーは自ら主体的に相場動向を把握し、競合物件を凌駕する物件価値向上のための修繕やリノベーションを計画実行し、情報発信や集客活動を積極化し、諸経費のコスト削減を検討しなければなりません。

つまり、運営に対して能動的に関与しなければならない時代に来ています。多くの方がそう感じていると思いますし、実際に行動されている方が多くなっています。

その視点で見ると、既存の管理会社や仲介業者への丸投げというのは、入ってくる情報を限定し、提供されるソリューションを限定し、収益機会を逃してしまう受身の悪手になりやすいです。

信頼できる管理会社を見つけることは大事ですが、彼らに運営依存することなく、オーナー側が主導権を持ち続け、経営の自由度を保ち続けることが大事です。

RE-techがもたらす不動産業者の”アンバンドリング”

 そこでRE-techです。RE-techがもたらすのは、不動産業者の各業務が"アンバンドリング(解体)"され、不動産オーナーの経営を従来よりも効率化/高度化させていくことだと考えます。

具体的にいうと、例えば修繕や売却などを一括見積もり査定するサービスのようなものは、既に不動産オーナーに従来より有利な価格設定をもたらしています。

 

また、WEB上に存在する大量の売買賃貸データを収集し、正確に相場分析や未来予測をおこなうサービスも出てきています。不動産業者と比較して遜色ないレベル以上で、自分の物件の周辺相場を把握することができます。

 

また空室募集や集客なども今以上にたくさんのメディアが出現し、集客活動は不動産業者だけのものではなくなると思います(ウチコミやジモティなどの存在がそうですね。)。

 

さらに今後、賃貸向けのIOT機器などの設備品が開発・流通されたり、複数サービスをまたぎながら保有している物件を一番最適な条件で貸し出せるようなサービス(例えば、AirB&Bとマンスリーマンションとスペイシーまで全て募集展開して稼働率を徹底的に上げるようなもの)が出てくるかもしれません。AIをうまく活用して、入居者の希望と大家側の希望を自動的にマッチングさせ、家賃条件などを自動調整するようなサービスが出てくるかもしれません。

 

このような動きはこれから加速し、従来の不動産業者側が提供してきた内容を凌駕するようなRE-techサービスが提供されていくことになろうと思います。

 

その動きの中で生き残る不動産業者は、Re-techをうまく取り入れ、各業務のいずれかに高度に専門化された存在か、もしくはオーナーの経営に対して責任を持とうとする(リスクを共有できる、例えばサブリースなどでリスクを負担できるなど)存在のみです。(もちろん、面倒な業務はいくらでもあるのでそれを低価格で請け負う、という会社もありだと思います。)

 

いずれにせよ、不動産業者が今までパッケージで提供してきた集客管理業務は、どんどんとテクノロジーの進化で解体され、少なくない不動産会社が残念ながら淘汰されてしまうように思います。

大家にとって使いこなしが必須となっていくRE-tech

 一方でオーナー側も、二極化が進むと考えます。市況的にも人口動態的にも、これからの不動産経営は厳しい戦いになることは想像にたやすく、RE-techがもたらす未来を見極め、それらをうまく取り入れ使いこなしさらに経営を効率化&高度化させていく勝ち組がでてくる一方、乗り遅れる負け組が多数出てくるようになると思います。 

オーナーが変わることで不動産業界は変わる。

私はこれらのことはとても良いことだと思います。不動産業界が保守的であまり変わってこれていない主な原因は業者側にあるのではなく、旧来型の運営で良しとしてきたオーナー側にあると思うからです。

 

その結果、日本の不動産や住まいは面白みも差別化もできない物件が大量に創出され、面白みも差別化もない運営がなされ、そして破棄されてきました。

 

SUUMOやHOMESに何千何万とある物件を眺めていても、心がときめかないのはなぜでしょう。家賃と広さと駅からの距離、そして築年数のスペックの羅列をたよりに、自分の人生の大半を過ごすことになる家を探すには、あまりに貧しくはないでしょうか。

 

本来、不動産はもっと人々の気持ちを「ワクワク」させるものだと思います。
ワクワクする家や住まいは、住む人に活力を与えます。

 

物件を獲得するためのファイナンス重視から、Re-techによってオーナーの意識が変わり、その創造力が物件の価値向上に使われるようになれば、面白みも差別化もされた運営につながり、住まいは画一的なものから多様的な存在になり、住む人にワクワクを感じさせるものになると思います。

 

大家の意識が変わり、運営がより積極的になっていくことで、住まいは変わり、よりひとりひとりの人生は豊かに、またその総体としての日本も豊かになっていくのではないかと期待しています。

 

 

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はじめまして

はじめまして。ブログ運営者のサトーです。

 

「賃貸払うのもったいないな。。」と思って2005年に区分マンションを都内に購入しリノベーションしたところから不動産投資人生がスタートしました。その後、千葉県の郊外である茂原市にボロアパートを3棟購入し、最初は再生⇒高稼働させるスタイルで本格的に不動産投資に参入。空室率3割越えの激戦地区&リーマンショック不況などに悪戦苦闘しつつ大家力を蓄積してきました。

ここ数年で全て売却し、都内新築にシフト。土地から仕入れて10%程度の新築APを足立区と鎌倉に2棟たてたところで一旦、会社員は卒業しました。

リーマンショックでは本当に大家力を鍛えられ、アベノミクスで救われた10年でした。

その間、生活保護対応、滞納、夜逃げ、床上浸水、大量退去、入居者の自殺や孤独死など人並みに経験もしてきましたのでもし、そのような経験やエリアの中でお聞きになりたいことなどありましたら、お気軽にお声がけくださいね。

 

現在は不動産テックでの起業に奔走しています。

 このブログでは、私が起業準備と不動産運営の合間に感じたこと、特にRE-techの発展によって、これからの住まいの在り方や不動産投資&運営がどのように変化していくのか、起業家そして不動産オーナーの視点から考察していこうと考えてます。

 

また、数多くの不動産オーナーの方々と繋がり、知見を共有することでこれからのサービス開発に繋げていければと思ってます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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