パパとRE-tech起業と不動産運営と

25歳から10年以上大家してます。今まで6棟購入⇒4棟売却済。郊外築古APから都内新築へシフトしてます。1年前から専業大家に転身し、現在は大手賃貸ポータルサイトの空室募集状況を簡単に分析できる、大家さんのためのサービス「チェックル」https://checkru.jp/ を運営中。サービス開発と不動産運営の合間に感じたことを世界の片隅からつぶやきます。

賃貸住宅フェアで気になったセミナー② 不動産特化型クラウドファンディング(ロードスターキャピタル)

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いわゆる不動産に特化したクラウドファンディングが最近流行ってきていて、見かける機会が増えてきたこともあり少し概況理解したいと思い、オーナーズブックという不動産特化型クラウドファンディングを運営しているロードスターキャピタルのセミナーをのぞいてみました。

途中から参加だったので、市場全体のトレンドなどは聞きそびれたのですが、彼らのビジネススキームや成長展望についてはだいたい理解することができました。

ロードスターキャピタルの運営する「オーナーズブック」とは

下記URLをみてもらうのが一番早いのですが、1万円から始められる不動産投資として、だいたい1〜2年で5%程度の利回りでの出資を募っており、忙しい会社員を中心にここ数ヶ月で会員数を順調に増やしているようです。(現時点で会員数は6000人を超えているようです。)売買や運営の煩わしい手間を考えると、悪くない利回りだと思います。 

 

www.ownersbook.jp

 

直近では、開始30分で予定募集金額を達成してしまうくらいの人気だそうで、そこに衝撃を受けました。活況なんですね。リピーターも結構いるようです。

 

投資先として選ぶ場合はREITに近いと思うのですが、REITよりも少額で始められること、投資先(物件)を選んでお金を入れられること、などがメリットでしょうか。逆に途中で売却することができない、信用取引などを使ってレバレッジを効かすことができないのはデメリットですかね。

 

「メザニンローン」というスキームを初めて知る。

あまり個人で投資する場合には馴染みが薄い手法ですが(自分もよく理解していませんでした)、彼らのスキームは「メザニンローン」の活用にあるとのことで、下記を読むとよくわかります。第2抵当権で追加調達する劣後ローンのことですね。

 

メザニンローンとは | ソーシャルレンディング・クラウドファンディングで不動産投資 OwnersBook

不動産融資(ローン)の形態の1つであるメザニンローンについて説明します。

たとえば、10億円のオフィスビルの購入を検討していた人がいたとします。その人が手元に用意できる現金は2億円だったとします。通常の銀行融資(シニアローン)を依頼したところ、6億円を調達できることが分かりました。しかし、自己資金(エクイティ)とシニアローンだけですと、不動産の購入を諦める必要があります。

不動産投資マーケットには、このような不動産購入希望者のために、自己資金(エクイティ)とシニアローンで足りない部分(今回の例でいいますと2億円)を対象とする融資を手がけるお金の貸し手がいます。その際の融資のことを、一般的に「メザニンローン」と言います。「メザニン」は、直訳すると「中2階」という意味になりローン回収のリスクを低いものから高いものまで階層化すると、メザニンローンは中ほどに位置するところからこのように呼ばれます。
メザニンローンを受けることで、購入検討者の資金負担が軽減され、シニアローンがより円滑に調達されやすくなるというわけです。

 

 

シニアローンよりも高利子にはなりますが、調達側にとっては一つのプロジェクトに資金を拘束されずにすみ資金効率が良くなるので、ミドルリスクミドルリターン型のファイナンス手法として法人向けには時々使われているようです。

 

このメザニンローンをクラウドファンディングする、というのが彼らの提供しているスキームだそうです。

 

※こちらの記事にもう少し専門的な内容がありました。

メザニンローンのポイント/不動産ファンド事例 - ファイナンシャルスター

 

個人投資家の調達手法としてクラウドファンディングが使えるのか。

残念ながらこちらを見る限りは、現時点では事業者向け(多分不動産会社の開発時の資金需要を想定している)サービスの様です。

事業資金向け不動産担保ローン | ロードスターファンディング株式会社

個人投資家ではできないと明記されている訳ではないのですが、どうなんでしょう。。

 

例えば、この案件などを見ると、個人投資でも良くみるくらいの規模感ですね。
(ただし案件では法人の資金需要とあります)

www.ownersbook.jp

 

質問する時間がなかったので詳細は聞けなかったのですが、ホームページを見る限り、今は法人向けに絞っているようです。もしかしたら資産管理法人などであれば活用可能なのかもしれません。

 

 ただ、将来的に個人投資家でもこのような形をうまく取り入れることができてくることは十分に考えられます。

 

将来的には、銀行借り入れではカバーできなかった分を自己資金+クラウドファンディングで補うことができる様なことができたり、ローン返済で余裕の出てきた担保価値をうまく活用して資金調達を行うことで、回転率の良い投資ができたりする様になってくるのでしょうか。

 

現状、銀行融資はかなり積極姿勢が続いてますので、特に個人オーナー側でこの様なソーシャルレンディングを使う理由は特段ないとは思いますが、融資が冬の時代になることも将来的には十分に考えられ、その様な時には有効な調達手法になっているかもしれません。(ノンバンクから担保融資で調達するよりはましな金利だとは思うので)

 

いずれにしろ、資金提供側はどんどん増えている状況なので、今後にも注目していきたいと思います。

 

 

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賃貸住宅フェアで気になったセミナー① データで分かった賃貸業界の知られざる現実

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印象に残ったセミナーの内容を雑記がてら少し紹介していきます。 

①データで分かった賃貸業界の知られざる現実(リクルート住まい研究所:宗所長)

各種データ分析から、空室率の実態や、新築着工数及び人口動態変化などの変化が不動産業界へ与えるインパクトについて、それまでの通説をひっくり返すような発見を次々と紹介されていて、とても勉強になりました。

 

例えば下記に上げるように、空室率でよく引用される住宅土地統計調査ですが、かなり高い数値がでる傾向があるそうです。空室の判定は本来とても難しいもので、調査員の人達も物件の外観から目見当で判断しているようでどうしても高めになってしまうそうです。

例えば豊島区の場合だと、自治体の調査では1.6%、住調だと12.9%とだいぶ乖離がありますね。他区も軒並み数字に違いが出ています。 

 

住宅土地統計調査は空室率を調べることに特化した調査ではなく、割引いてみるべきで、例えば国勢調査の結果などと合わせてみると全国平均の空室率は10%程度ではないかと話していました。SUUMOのデータで推計すると、住宅土地調査では都内は15.7%だったのがSUUMOのデータでは7%程度に留まっていたそうです。

期間空室率で考えると、全体の2%程度は、退去後修繕などで稼働できない期間として差っ引いてみるべきで、都内で7%というのはかなり活況な数字と言えそうです。

また、部屋面積や築年数の違いによっても空室率には大きな違いが出ていることを、地図上にプロットしながら分かりやすく説明されていました。都内のファミリー物件であれば、当分は空室率に悩まされることはなさそうです。

 

先日、自分も空室率についての記事を書きましたが、

paparere.hatenablog.com

 衝撃的な数字だったので、この先アパート経営を続けるか悩むなーと思ってたのですが、やはり数字というのは鵜呑みにせず、色々な角度からその正確さを常に検証していく必要がありますね。ざっくり、実際のところは住調の数字の半分程度という感覚なのかなと思いましたので、2033年の賃貸住宅の空室率は、47%〜23%程度なのかなと捉えています。それでも地域によっては市場崩壊しているところも少なくないと思いますけど。

 

ちなみに2日目に、「賃貸住宅 空室率の実態」というタイトルで(空室率調査のレポートで有名な)タスさんもセミナーをされていたようなので、そちらの内容も気になるところです。誰かレポートしてくれないかな。

 

他にも、民泊施設が周辺住民からどの程度忌避されているのかを、葬儀場やラブホテルなど他施設と比べたアンケート調査を用いて説明されていたり、賃貸住宅の新築着工数がバブル期超えたと言われているが、その半分は実際は既存物件の建て直しなのでそこまで深刻ではない、などと喝破されていたり、これから増加していく単身世帯の中心は高齢者になるので賃貸市場でも単身者=若手独身ではなく40代以降が中心になっていくだろうという話など、目鱗なお話を次々とされていました。

 

どうしても日常の不動産経営は自分の物件について考えるミクロな視点になりがちですが、10年20年先を見据えてロングスパンでどう経営の舵取りをしていくのか、大局観を養い磨き続けるのも重要ですね。
 

 

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賃貸住宅フェアに行ってきました。

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www.zenchin.com

 

賃貸住宅フェアに数年ぶりに行ってきました。

 

目的としては、不動産業界の最新動向把握、特に不動産オーナーや仲介/管理会社が今どんなことに困っていたり関心があるのかを知るためにだったんですが、色々とアップデートできて楽しかったです。

 

IOTやビックデータ、AIなどを武器にした不動産テックな会社もたくさん出展していましたし、クラウドファンディングのような新しい投資手法(および資金調達手法)についてや、法改正を睨んだ民泊やIT重説のような新しいビジネスへの最新動向が色々な場所で話されていました。またそれ以外にも、マクロ経済や人口動態の変化から未来の賃貸市況を考察しているセミナーがあったり、倉庫・工場やキャンピングカーなどニッチジャンルへの投資の紹介があったり、リノベーションもコストをより抑え簡単に導入できるようなコモディティ化が進んだソリューション提供が各社からなされていたり、色々と目を見張るものがありました。

 

自分が普段チェックできていない分野の最新トレンドまで全方位で抑えられるのは、こういうイベントの良いところですね。

 

所感ですが、不動産投資はかなりプレイヤーが増えて垣根が低まってきた=初心者や経験の浅い方が多くなったと思っていた反面、セミナー内容はより細分化、専門化、高度化している印象を受けました。

 

誰かがおっしゃっていたのですが、もうこの時代、大家が全方位で情報キャッチアップしていき、独力で運営していくことはかなり難しくなっている。高度化した専門家達をうまくパートナーとして巻き込んでいき、その専門性を力として借りることが大事だし、大家さんは結局のところ事業経営者としてのレベルとセンスを磨いていくしかないと。

 

また、誰かにとっては正解だったノウハウをそのまま部分部分でパクっていってもしょうがない(うまくいかない)ことが多くなってきたように感じていたのですが、どちらかというとセミナーもTIPS的なものより、不動産業界がどう変化していくのか、その中でひとりひとりがどうスタンスを確立させ、ブレずにそれらと向かい合うべきか、というようなメッセージが多く投げかけられていたように感じます。

 

変化は激しく厳しいですが、大変に面白みのある時代だと思います。

 

このようなイベントを毎年各地で開催して頂ける全国賃貸新聞社さんにはほんと感謝ですね。

今日は疲れたので、また後日気になったセミナー内容やブース企業を紹介できればと思います。

 

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2033年の住宅全体の空家率30.4%→貸家に絞って推計したら脅威の47%だった話

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先月、野村総合研究所が18~33年の空き家数・空き家率の予測を発表していました。

https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2017/pdf/forum254.pdf

 

既にご覧になったかたも多いと思いますが、現在ある空室800万戸が、このままいくと2033年には2,160万戸を超え、空き家率は30.4%まで達する、という中々恐ろしい予想になっています。

 

f:id:paparere:20170724215236p:plain

 

賃貸用および売却用の住宅は、460万戸⇒12165万戸へ3倍に

ここまでは色々な記事でも飛び交っていた数字なのでご存知の方も多いと思うのですが、レポートではもう少しブレイクしていて、住宅種別の空家数予測も行っています。

こちらを見ると、「賃借用及び売却用の住宅」が2013年の460万戸から2033年には1265万戸へと、20年間でほぼ3倍にも膨れ上がっていることがわかります。むー。

f:id:paparere:20170724215336p:plain

 

ふと、2033年の賃貸住宅の空家”率”を知りたくなった。

そして私はふと、全体で30.4%という空家率は、借家に限るとどれくらいの空室率になるのかと疑問に思いました。

 

ただこのレポート内には、住宅種別の空家率というのは記載されていませんでした。(正確にいうと、総住宅数7126万戸のうち、借家の割合がどれくらいなのかが記載されていなかった。)

 

そこで独自に推計して見ようと思い、出典にある総務省の「住宅・土地統計調査」を調べてみたところ、2013年時点での総住宅数6063万戸の持ち家・借家比率は記載されていなかったのですが、住宅の所有関係別という項目があり、持ち家比率は61.9%で3224万戸、借家の割合が35.4%で1845万戸と記載されていました。

 (詳細はhttp://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/pdf/giy02.pdf

 

持ち家と借家の数を足すと全戸数は5208万戸、そしてその年の空家数が820万戸なので、全て足すとざっくり6030万戸になります。少し乖離があるのですが概ねあっていそうです。

 

2013年時点の賃貸住宅の空室率は20%、では2033年は…

それらのことから、2013年時点での賃貸住宅に絞った空家率を考えると、分母は1845万戸+460万戸、分子は460万戸となり空室率は約20%という数字がでてきました。

 

それでは本題の2033年時点でどうなのか、考えてみます。

 

全体の居住住宅数における借家率が変わらず35.4%程度とします。すると総住宅数7126万戸から空家総数2166万戸を引いた4960万戸が居住住宅数となり、その中の35.4%は1401万戸となります。

つまり、空室率の分母は1401万戸+1265万戸、分子は1265万戸となり、2033年の賃貸住宅の空室率は47%という数字が導き出されます。。

 

2013年に19.9%⇒2033年に47%…。
倍以上になってますね。 これは結構やばくないですかね。。(汗)

 

あと15年後に、アパマン半数空室時代が到来する??

これが正確な数字なのかはちょっと保証しかねるのですが、でも世帯数が減少していく中で、賃貸用住宅の空家が今の3倍近く積み上がるとなると、全国で見てアパマンのほぼ半分が空室状態になってしまう、そのくらいのインパクトが数字上確認できました。

 

エリア別にだいぶ差がでてこようかとは思いますが、郊外を中心にもはや賃貸経営が成り立たない地域が相当数でてくることになりそうです。

 

空室30%を越えたエリアでの賃貸経営の体験談

自分は千葉県の茂原市という郊外の中核都市にアパート3棟ほど持って10年ほど運営していきましたが、そこのエリアは空室率が10年前くらいから30%を越えていたと思います。めちゃ客付けに苦労しました。(詳しい話はこちら

 

地域最安値で勝負していくのですが、築古の競合物件も次々と値段を下げてきて差別化を図れなくなり、20平米の物件なら築20年過ぎれば3万円以下、35平米程度の2DKの物件でも3.5万円くらいにしないと見向きもされなくなっていきました。家電付やペット可などにしたり、ADを増やしたり次々と手を繰り出すのですが限界があります。退去後の空室期間もだんだんと長期化し3,4ヶ月決まらないのが当たり前の状態になっていきます。

 

それでも、利回りをかなり高い状態で買っていたのでなんとかなったのですが、将来的なことを考えると長期的な希望は持てないと考え、ここ2年ですべて売却しました。そういう意味では、今の相場高騰期は地方物件を持つ大家さんたちにとっての最後の出口になる可能性もあります。

 

このような状態が将来的に全国に広がり、慢性的に空室が深刻化していく、、、というのは、ここ数年でフルローンオーバーローンを理由に高値掴みしてしまった大家さんたちにはまったく耐えられない事象となるでしょう。

 

悲観的な未来を避けるためのシナリオは??

野村総研のレポートでも、このままの悲観的なシナリオとさせないためのいくつかの打ち手を提案しています。

この中でもっとも手っ取り早く効果がありそうなのは、外でもよく取り入れられている「新築の制限」だと思います。ここは国や行政が都市計画にのっとってぜひ積極的に介入していってほしいところ。(もし新築の制限が導入されるようになれば、不動産売買価格もかなり売り手有利に高騰していくと思いますし。)

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今日は悲観的な話になりましたが、不動産はマクロに見ても色々なシナリオがありえます。もしハイパーインフレが起これば不動産保有している人が大勝ちになります。

どのような市況変化にも負けず、持ち続けても売却しても利が取れるよう、出口への感度は常に高めておくことをお勧めします。

 

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全国に放置されている築古別荘にすっごいポテンシャルを感じる話

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昨日、賃貸物件を扱うテーマ特化型メディアをいくつか紹介しましたが、

paparere.hatenablog.com

賃貸ではないのですが好きでよくみるサイトに休日不動産があります。

 関東近郊にある手頃な築古別荘を紹介していくサイトですが世の中には車で2時間ほどのエリアでも500万円前後の捨て値の平屋別荘がゴロゴロと転がっていることがよくわかります。売り手側のオーナーとしては、高齢で足も遠のきメンテナンスが面倒になってきたので処分したいが、流動性にかける市場で投げ売り価格にしかならず、買い手がつけばラッキー、というのが現状のようです。

 

ただ今の時代、廃墟別荘も趣味と実益を兼ねたお得な物件に変貌することがあります。

 そう、エアビーがあればね。

 

エアビーの力で見直される別荘という資産

このエピソードは休日不動産のFBでの投稿で知ったのですが、2年前にこのサイトでこのような物件が紹介されていました。 販売当時、自分も読んで良いなーと思った記憶がありますが、ご覧の通り築古を通り越して廃墟と表現して良いくらいの朽ち果てぶりで、手を出せる感じではありませんでした。

holidayrealestate.jp

 

ところがこれを買った方は、先見の明があったのでしょうね。そこからの眺望と建物のポテンシャルを見抜き、コツコツ自分達でリノベーションを行い、自分達の納得のいく別荘へと変貌させていったようです。

 

そして、自分達が使わない時期にはエアビーで貸し出しを始めたようです。

www.airbnb.jp

 

見てくださいこの華麗なる劇的ビフォーアフター

これは一泊4万でも喜んで借りるわー。ハンモックでゆらゆらしたいわー。

 

買主さん達がセルフリノベーションを楽しみながらワクワクしながら、作り込んで行った様子もなんとなく伝わってきます。特にせり出したウッドデッキが最高ですね。

グロス20%??高利回りを狙えるポテンシャル

当時、具体的に別荘購入を検討していたこともあり、実はこの物件の価格も覚えていたのですが、仮に超弱気で月5〜6泊程度の利用だとしても、驚異的な利回りになります。修繕にどれくらいお金かけたかは知らないですが、仮に物件価格と同等くらいだとしても、利回り20%いく感じですね。値付けを試行錯誤していったら、稼働率をもっとあげて収益性も増していくと思います。(ああ、トラタヌは楽しいな。。)

 

いずれにしろ、エアビー が順調に稼働すればオーナー側は持ち出しなしか利益をあげながら別荘生活を楽しめるはず。もちろん利益目的ではないと思いますが、でも費用の回収の仕方として、多分頭の片隅ではこのような利用法で稼働させることはイメージしていたはずと思います。

すでに先行している新しい別荘取得層たち

かつて別荘はステイタスであり負債でした。が、このようにインカムゲインも狙っていく目線での別荘取得している新しい層はすでに一定数います。エアビー内を見てみてください。全国全地域で、そのようなバケーション型物件がいくつも存在しています。専業でガッチリ回している感じではない緩さを漂わせつつ、でもカレンダーみていると結構埋まってるよね、という物件が山ほどあります。また最近は、Homeawayのような別荘版エアビーのようなプレイヤーも日本参入してきました。海外では別荘を取得して収益あげながら楽しむのはすでに一般的なことのようです。

 

基本、このモデルは専業で利益出せるかは難しいところだと思うのですが、平日は都市部で働いていて週末は郊外で自然を楽しみながら暮らしたい、という層はどんどん増えていますし、検討している実需層の背中を押すモデルとしては、今後ますます広がっていくと思います。

 

 リノベーションや入居募集のや清掃などのオペレーションを組むのはそれはそれで大変なので、興味を持っても中々踏み出せない方多いと思いますが、だから競合はまだ少ないので先行者利益があるとも言えます。そこらへんの代行者が増えて、将来的に参入者が増えたら増えたで、買値よりだいぶ良い値段で売却できる可能性が出てきます。実需だけではない収益目線のロジックがあるからこそですね。

 

「フォトジェニック」かどうかが選択眼として重要か?

で、このモデルの成否というか、狙い目として狙っていく物件は「フォトジェニック」な要素があるかどうかだと思います。例えばわかりやすく冒頭の例でいくと「絶景力」があるかどうかでしょうか。

 

実は絶景物件はアクセスが悪く生活利便性が低いことが往往にしてあるため、売主が売れないと思って弱気な価格設定にしていることが意外とよくあります。ここに裁定のタネがあります。安く買い、熱量を持って再生させていくことで、エアビーなどで他物件にはない圧倒的な優位性にしていくことができます。

別に「絶景力」がなくても、その場合は内装が北欧風で統一されていてすごく雰囲気があるとか、古民家であるとか、暖炉があるとか、自然を楽しめるBBQスペースやピザ窯があるとか、そういうわかりやすく写真で伝えられる要素があるかどうかは、結構大事な気がします。

フォトジェニックで惹かれてきた宿泊客は必ずそれを撮影して、SNSなどで投稿します。なのでBUZZ力があり、集客の再ループが引き起こされます。

 

いずれにしろ、興味がある人は休日不動産や他のサイトでゴロゴロ溢れている別荘物件を眺めてみてはいかがでしょうか。個人でも始められる手軽な地方創生かもしれないですね。

 

私は今は起業準備でそれどころでもないですが、ここ3年くらいで(子供達が大きくならないうちに)改めてチャレンジしてみたいな、と思ってます。

 

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多様化するニーズ特化型賃貸メディアを調べてみる

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先日、下記記事の中でターゲットセグメントされた掲載メディアによって反響が激増したことを書いたのですが、R不動産やGOODROOM,R-STOREといったリノベーション&デザイン特化型メディア以外にどのようなものがあるか調べてみました。

 

paparere.hatenablog.com

①シェアハウス専門メディア

www.hituji.jp 

www.social-apartment.com

ここらへんは有名ですね。 シェアハウスに特化したサイトです。おしゃれな物件も多く、見てて飽きません。

 

都心中心部の好立地にある洗練されたデザイン&設備のリッチ型なものと、都内へのアクセスに優れた郊外型の安コスト型の2極化している印象があります。割と広くカバーしているひつじ不動産と、前者に特化しているソーシャルアパートメントが代表的でしょうか。(ソーシャルアパートメントは一般掲載はできないと思いますが好みだったのでつい・・・)。

 

自分も若い時にシェアハウスを友人としましたが楽しかった記憶しかないので、また生まれ変わっても独身時代はシェアハウス住まいをすると思います。 

DIY物件専門メディア

www.diyp.jp

最近ニーズが高まっているDIY可能物件を集めた専門メディア、これもやはり能動的な住まいづくりを賃貸住宅で楽しみたい人が増えている一つの証でしょう。

自分も実は千葉に持っていた物件をDIY賃貸サイトで募集したことがあります。築古物件で客付けに相当苦労していた全空の物件を丸ごと一棟お貸しします!という感じで。でもさすがにハードル高かったのか、全然反響が無かったですけど。。まあ自分の物件はさておいても、まだ来訪者数が限定的で、入居付けを現実的に期待できるサイトは少ないかも知れません。ただ国交省DIY型賃貸を今後積極的に推進していくとの話もあり、このカテゴリも盛り上がっていくかもしれません。

住宅:DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックの作成について ~個人住宅の賃貸流通の促進に向けて~ - 国土交通省

 

こちらにその他のDIY賃貸物件サイトがまとめられています。大御所のR不動産やR-STOREも、DIYカテゴリ作って割と積極的に取り扱っているようです。

【随時更新】改装可能な賃貸物件を扱った不動産検索サイトまとめ | MAD City:松戸よりDIYと暮らし、物件情報を発信

③猫OK物件専門メディア

neko-beya.com

ペット可能物件はよくあると思うのですが、世の中のペット可物件はほとんどが「犬」を前提にされており、猫はその特質(爪とぎで物件が傷むことや匂いがきついこと)から許諾されづらい、と聞いたことがあります。

 

世の中に猫愛好家は数多くあれど、賃貸難民になる人はとても多いそうで、そこに注目した特化メディアや物件開発などが今、活性化してきていると感じています。

www.rakumachi.jp

自分も過去に郊外の物件をペット専門物件としてリノベーションして運営していたのですが、入居問合せの業者さんも「猫なんですけど、、厳しいですかね。」みたいな感じでなんとなく恐縮しながら問合せしてきていたのを思い出し、ペット専門ではなく猫専門まで踏み込んで運営してみても良かったかなと思ってます。

 

ただ記事にあるように、単に猫OKとするだけだと、近隣クレームや退去時の修繕がえらいことになるので、結構対策が必要そうなので、きちんと調べてから判断したほうがよさそうです。

高齢者OK物件メディア

高齢者特化型の客付けメディアというのも登場しています。

r65.info

 

サイトを見ると、下記のような検索テーマが大きく取り上げられてます。

「病院が近い」とか、高齢者専門サイトならではの検索テーマですね笑 

f:id:paparere:20170722172641p:plain

こちらの記事をみると、需要はかなり高いようです。

www.zenchin.com

 

現在、月に5件ずつ新規物件を登録しているが、都内であれば6割が2週間以内に入居が決まるという。中には、神奈川県川崎市小田急線「新百合ヶ丘」駅からバスで15分の場所に立つ単身者向け物件も登録後すぐに入居者が決まったケースもある。また、普通は決まりにくい1階の部屋が階段の上り下りの必要がないため成約しやすい傾向がある。

 

確かにこれから高齢者人口が増えてくる時代を考えると、このようなサイトの出現は時代要請に沿ったものなのかも知れません。高齢者がターゲットということで、債務保証や事故&病死リスクなどをヘッジしていくような付帯サービスをこのようなサイトでの付加価値として期待していきたいところです。

あとは単純に、ネットが苦手な方がまだ多いと思うので、どうやってサイト来訪者を増やせるかどうかですね。。

⑤低家賃専門メディア

www.jonan73.jp

 

格安/激安賃貸なら-東京6万以下の部屋まる。-安い優良物件多数!

SUUMOとかHOMESとかで普通に調べられるじゃん、という気もするのですがひとつの例として。多分、低家賃物件は客付け業者から見ると「手間ばっかりかかって儲からない」案件で、希望者への応対の優先順位は自然と下がってしまうと思います。そこを逆手にとり、あえて好立地低家賃をうたうことで入居希望者を取り込もうとしているのがこのポータルサイトの狙いなのだと思います。

 

今までの例と違って住まいに対して消極的、というか割り切っているターゲット(「安くて勤務先に近ければそれでよい」的な)も相当数存在していると思うので、これはこれでありなセグメントだなと思いました。

考察:バーティカル(=テーマ特化)メディアに重要な「熱量」

いくつか事例をあげてみましたが、生活者がこれだけ多様な 価値観を持ちニーズも分散する世の中では、このようなバーティカル型メディアというのも、うまく市場を見つけられれば成長の余地があるなと感じます。

現に、SUUMOやHOMESなど総合メディアでも、「猫OK」とか「DIY可能」とか検索はできるようになっていますが、このようなサイトは淘汰されることなく、むしろ勢いを増してきています。

なぜかというと、やはりそのカテゴリニーズに沿った専門的な物件紹介の仕方や、検索方法などがあり、それが総合メディアだと対応しきれないから、というのがひとつ。

あとは純粋に見てて楽しいんですよね。運営者のそのカテゴリへの愛を感じるというか、物件紹介のディティールにも熱量がこもっていて、それはそのコミュニティの住人であればすぐわかるし、とても共感できる。結果として、そのサイトを「応援」したい気持ちが沸き起こり、ファンとして頻繁に来訪してしまうのだと思います。

そのサイトが持つ熱量というものは、結構重要な要素だと思います。 

考察2:物件開発やコンサル業務などの上流工程への進出や、コミュニティ育成による派生ビジネスの展開

あと、ビジネスドメインを賃貸仲介から広げ、テーマに沿った新規物件の建築開発やコンサル支援などの上流工程に入り込んだり、逆に元々工務店ビジネスから逆流して、メディア展開していくような例が多いと思います。(例えばGoodRoomは元々HAPTICという収益物件に特化した定額リノベーションを提供する工務店業務が発祥で、そこから自社リノベ物件の客付けを安定化させるために自ら客付けの媒体を作るに至ったと聞いたことがあります。)

 

また、東京R不動産などは、家づくりをテーマとしたDIY物販サイトを始めてどんどん拡大していたり、行政と一緒に街作り(特に地方創生)を仕掛けていたり、もはや賃貸メディアの枠組みを大きく超えて動き続けています。

www.r-toolbox.jp

R不動産の躍進をみていると、テーマ特化型はニッチなメディアだなんて言えないですよね。 

考察3:掲載する側は中途半端に参加しない。やるならそのメディア運営者に積極アプローチして「推し物件」となるくらい「やり切る」。

逆に掲載依頼する大家側から考えると、安易に考えて参加してもあまり効果はナイトと思います。ただ空室を埋めたいから現状のまま「猫飼育可能」「DIY可能」としても、反響は薄いでしょう。

 

理由としては、この手のメディア側がまだ発展途上なことが多く、十分なユーザー数を抱えていないことが多いためです。やはりそのメディアの真ん中にくるような”推し物件”になるくらいでないと、注目は集められないと思います。

 

なのでやると決めたら、掲載メディア側にコンタクトを取って、相談しながら一緒にそのメディアのコンセプトど真ん中の物件に仕立てるくらい、やりきったほうが良いと思います。メディア側としてもそれくらいの度量のある大家さんのほうが色々と協力もしやすい(し、自分のメディアのネタにもしやすく取り上げやすい)。

中途半端に猫可能とかDIY可能とか高齢者OKとかしても、物件のコンセプトはぶれるだけですし、あとから他入居者からクレームをもらってしまう可能性も大きいです。

だから中途半端に参加するのではなく、やり切る。これが重要かなと思った次第です。

 

自分も運営者視点で、いくつか有望なテーマを思いついたので、機会があれば試してみたいなと思います。

 

 

ブログの合間にサービス開発をしています。
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checkru.jp

話題の「ウチコミ!」で、現役大家みずから入居者を募集してみた結果…(良い点・悪い点)

 

最近評判になっている、大家さんが直接入居者を募集ができるサイト「ウチコミ!」を使ってみました

ウチコミは、大家さんが自分の空室物件を登録し、入居者を募ることができるサービスです。

特徴としては、

  • 大家側は掲載費用がかからず、賃貸物件情報を何件でも登録でき、好きなようにアピールすることができる。
  • 入居者側は仲介手数料無料で部屋を契約することができる。
  • エージェント(不動産業者)が間に入るため、内覧案内や契約手続きなどはプロが介在するので安心。
  • 成約時に大家は手数料として家賃1ヶ月分をエージェントに支払う
  • 今のところ、関東圏と関西圏でのサービス展開。

などがあげられます。(詳細は仲介手数料無料のお部屋探しウチコミ!とは参照 )

 

 

<空室に困っている大家さん、こちらの空室募集分析サービスもお勧めです。 >

 

SUUMOやHOMESなどの賃貸ポータルサイトに掲載するためには広告料を支払う必要がありますし、そもそも不動産業者でないと掲載ができません。また掲載情報もスペックの羅列で差別化しづらいです。
 

その点、ウチコミは掲載料無料で物件紹介を自由に登録でき、掲載写真も豊富に載せたり、大家からの特別提案(オファー)を設定したり、入居者からの問合せに対しても大家自らが柔軟にチャット対応できます。

 

また、エージェントという形で不動産業者の方が内覧案内や契約手続きを行ってくれるため、自主管理ですべてを自分で対応するような面倒さはありません。そういう点ではかなり大家目線で便利なサービスと言えます。

 

入居者からしても、大家の人柄も含めて物件情報を見ることができますし、何より仲介手数料無料です。大家直なので、家賃や諸条件の交渉もやりやすいです。

 

というわけで、最近は利用者数が増えてきているようで、今では大家さんが4,000名ほど、入居者の会員登録はすでに※25,000人以上いらっしゃるとのことです。(セミナーでお聞きしました。)

(※2018年9月時点で会員登録者数は36000人超えていました)


私が知りうる限り、賃貸物件に特化した直接募集系のサイトでは最大級だと思います。あとは専門ではないですがジモティくらいでしょうか、有名度でいえば。

 

というわけで、6月に自分が保有している鎌倉の物件で空室が出たので、良い機会と思いウチコミを初めて利用してみることにしました。

 

登録手順

サービスの利用自体は難しいことはなく、無料ですぐに始めることができます。

サイトから大家さんとしての会員登録を行うと、このようなマイページで物件情報の登録や管理、入居希望者やエージェントとのやり取りが可能になります。

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またこのページには大家さん向けのセミナーイベント情報や各種のお役立ち記事なども豊富にあり、結構みていて空きません。

 

空室情報の登録は、最初は結構大変に感じるかも知れません。何せ、入力項目は100前後ありますので。いつも募集依頼を行っている管理会社の方達は、こういう風に物件情報を自社サイトやポータルサイトに登録しているのかと思うと、頭が下がります。

写真も最大で30枚程度アップすることができるので嬉しい反面、アップロードする手間がかかり面倒に感じました。

 

それらがやっと終わり、物件情報を登録し公開すると、物件近くに所在している「エージェント」が自動的に設定されます。

 

物件に入居希望者の方から問合せをいただくと、すぐにエージェントと内容を共有できるようになっており、大家さんが直接対応することなくエージェント側で内覧案内や契約手続きをまとめたりしていただけます。(対価として、大家側が成約時に支払う仲介手数料1か月分は、丸々この仲介業者の方に渡されるそうです。)

 

※となるとウチコミ側の収益源は?と思うのですが、彼らはエージェントから月額固定でサービス提供料?を徴収しているようで、それが彼らのいまのところの主な収益源となるそうです。

 

使ってみてよかった点

①閲覧者などの数がわかる。

自分がウチコミを利用した中で1番良いなぁと思った機能は、自分の物件情報のPVカウンターでした。物件登録をすると翌日から、1日ごとのページ来訪者がわかるのです。これが私にとっては手ごたえを感じられて地味に嬉しかった

大家さんは、自分の物件がサイト掲載されてどれぐらいの人に読まれ、問合せがどれくらいあるか、といった反響数を直接把握することができません。また管理会社に聞いても、「ああ、あまり見られてないですね~」とか「問い合わせがチラホラありましたが、その後連絡なしです。」みたいな程度で、あまり正確に教えてくれることはないことが多かったです。(頼めば反響数教えてくれるところもあったのですが、管理会社も手間ですし大家側も気が引けますよね。)

なので、PVカウンターという原始的な反響数ですら、わかるととても嬉しく励みになるのです。実際、私はこの数字みたさに毎日管理ページ訪れていました。

 

 ②大家が物件紹介文を作成できる

また、自分の好きなように物件紹介できるというのはとても嬉しかったです。一般的な賃貸サイトは無味乾燥すぎて、入居者側から見たらつまらないものだと思うのですが、その家の良いところも悪いところも把握している大家であれば、情熱を持ってそれをお伝えすることができます。

 

例えば、駅から徒歩20分くらいかかる遠い場所に物件を持っている場合、賃貸サイトだとそれだけで検索対象から外れて苦戦することになりますが、紹介文を工夫して「遠いけれど、幹線道路からも外れているし、すぐそばに河川敷があるので、昼も夜もとても静か。プライベートを自然の環境の中で過ごしたい人にはお勧めです」みたいな表記ができるわけです。一つ一つの物件が差別化されて魅力的に見えてくるのは良いなと思いました。

 ③入居者側からの「リクエスト機能」がある

さらに、他にはない機能だなと思ったのが、入居者が探している部屋の条件を書いてリクエストできるというものです。 大家側は、所有物件のエリアで探している入居者のリクエストを管理画面で見ることができ、自分の物件が当てはまっていればリクエストに返信したりオファーしたりすることができます。管理画面を見ると、結構入居者側からのリクエストは活発にされているようで、こういうところからうまく入居者を見つけていくこともできそうだなと思いました。

 

 

使ってみて残念だった点

 ①PV数字からPDCAが回せない

PVが把握できるのは良かったのですが、その数値が他物件と比べて多いのかどうかのベンチマークがなく、またどれくらいのPV数があれば通常問合せに繫がっていくか、のような歩留まりの傾向もわからなかったので、数字からどう判断して修正していけばよいか、悩みました。ここらへんがもう少しわかるようになってくると、大家側も募集時にPDCAが回りやすくなるので良いなと思いました。

 ②まだサイト利用者数が少なく、問合せが無かった。

 また、肝心の問合せは、掲載していた1ヶ月の間には一件もありませんでした。多分、まだ利用者数が小さいのと、自分の掲載物件が高価格帯で入居希望者側の条件にフィットしてなかったのだと思います。

 

利用者数の規模感としては、だいたい月10~20万人くらいと推定されます。SUUMOとかだと月数千万規模なのでまだ100分の1程度の規模感だと考えると、しょうがないですが差は歴然です。

f:id:paparere:20170721003411p:plain

https://www.similarweb.com/ja/website/uchicomi.com

 

マッチングサイトである以上、そのサービスのよしあしは利用者の多さに依存すると思いますので、この規模感でもまだ、入居者にとっては物件数がとても少なく感じられ、大家にとってもまだまだ反響的に満足がいく規模感では無い、というのが現状だと思います。

 

③客付けに苦戦している物件が多そう&入居者も費用重視で交渉激しそう。

これは推察なのですが、このように直接募集サイトを使う大家さんの物件は、客付けに苦戦している(通常手段で空室が埋まらないからこのサービスを使っているわけで)ことが多いと思いますし、実際、掲載されている物件もそういうものが多いように感じました。

逆に入居者側も費用負担を減らしたい、大家さんと直接交渉したいというニーズがあるゆえに利用するので、所得や属性的に少し厳しめの方も多いのかなと感じました。

 

なので、物件はそこそこで良い代わりに、家賃や諸条件での要求が高い入居者をターゲットとするなら、このようなサービスを積極的に使っていいと思います。

自分は反響ゼロでしたが、このサービスを経由して複数客付けを成功させている大家さんもいらっしゃるとのことでした。

 

使ってみての感想

欧米では、仲介業者を経由しない直接契約がオーソドックスで全体の8割程度を占めているそうです。日本はある種、大家が面倒がって管理会社に丸投げしてきたわけですが、インターネットがここまで発達すると、単純なマッチングに不動産業者が2つも入る必要は相当薄れていると言わざるを得ませんし、実際に入居者側も仲介手数料(や礼金や更新料など)という存在に疑問を感じ始めています。一方で大家側も、不動産任せでブラックボックスになっている客付けに対してもっと可視化していきたいと感じている人が増えています。

そういう意味では、このようなサービスは今後、さらにニーズは高まっていくと思いますし、遠くない将来、直接契約で入居する人たちはもっと増えていくと思います。

 

大手参入などのシナリオもありうると思うので、ウチコミがこのカテゴリでNo.1のままとは限らないですが、ウチコミはビジョナリーというか理念がしっかりしていて、「搾取のない公平なサービス提供を目指してる」とうたっており、大家側目線にたったサービス提供をしてくれていると感じますので、応援していきたいですね。

最近、広告出稿も積極化しており、利用者数も増加していると感じますし、これからに期待しています。

 

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とはいえ自主管理は面倒だし、 集客力のあるポータルサイトを募集したい、という方はこちら。自分の空室や近隣の競合物件の募集状況を自動でレポートしてくれます。

お部屋探しの8割以上がネット経由で調べる時代、しっかりポータルサイトの掲載状況も確認しておきましょう。開発秘話はこちら。チェックル!βを公開しました【今だけの会員登録特典付き!】