パパとRE-tech起業と不動産運営と

25歳から10年以上大家してます。今まで6棟購入⇒4棟売却済。郊外築古APから都内新築へシフトしてます。1年前から専業大家に転身し、現在は大手賃貸ポータルサイトの空室募集状況を簡単に分析できる、大家さんのためのサービス「チェックル」https://checkru.jp/ を運営中。サービス開発と不動産運営の合間に感じたことを世界の片隅からつぶやきます。

チェックル!徹底解説 ~チェックルだからできること~ ④「残りモノ指数」を活用して募集条件の変更タイミングを知ろう!

今日は徹底解説の4回目として、チェックル独自指標である「残りモノ指数」を生かした募集条件の変更タイミングの把握について説明します。

 

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「残りモノ指数」=募集条件の見直しタイミングを計る指標

前回、「平均掲載期間」を把握することで、募集条件の変更タイミングを計ったり、「外れ値」物件に注目することで近隣の勝ち物件/負け物件を判別する使い方をお伝えしました。

 

今回は、「募集条件の変更タイミング」を知るためのもうひとつの指標として「残りモノ指数」というのを開発したので(そんな大げさなものでもないんですが笑)、そちらについて披露しようと思います。

 

「残りモノ指数」の説明

「残りモノ指数」を簡単に説明すると、

残りモノ指数・・・ユーザーが新たに空室物件を登録/変更した際に掲載されていた全物件を100%とし、掲載が継続している物件数の割合


チェックルのオリジナル指標である「残りモノ指数」では、自分の物件と同時期に募集されている物件がどれくらい掲載終了/変更しているかを表示し、自分の空室募集の進捗が相対的に遅いのか早いのかを知ることができます。

 

マイレポート(掲載状況&市場動向)の見方 – チェックル!大家さんのための空室募集分析サービス

となります。

マイページの「サマリー」の表数部分の一番下に表記されてます。

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もう少し具体的に説明しますと、例えば4月1日にチェックルで物件登録/競合条件登録を行ったとします。またその日、競合条件登録に当てはまる物件が100件あったとします。

 

チェックルでは、部屋ごとに「いつから」「いつまで」掲載していたかを計測することができるため、4月1日に登録されていた物件がどれだけ残存しているかを追うことができます。その残存率が「残りモノ指数」となります。

 

例えば、4月10日に「残りモノ指数」が80%となっていた場合、4月1日に掲載されていた100件中の20件が掲載終了(※)し、80件が掲載継続していた、という意味になります。

※掲載終了している場合は、成約済み/条件変更(別URLに変更)のどちらかを意味します。

 

とても単純なのですが、この指標は募集戦略を考える上で一つの目安になると考えています。

 

「残りモノ指数」が50%を下回ったら募集条件を見直すタイミング

 

「平均掲載期間」と近い概念ではありますが、平均掲載期間は算出するまでにデータ蓄積の期間が必要となるため、「残りモノ指数」を併用することで、より早く直接的にライバル物件動向を把握することができます。

 

競合数や競合条件の設定次第ではありますが、個人的な感覚では「残りモノ指数」が50%を切ってきたら、募集会社に進捗やライバル動向をヒアリングしたり、募集条件の変更を一度考えてみても良いタイミングなのではないかなと考えています。

 

というのは残り5割ほどになっているのに自分の物件がまだ決まっていないというのはライバル物件と比較検討され負けが続けている状態になりつつあるからです。そしてさらに悪いことに、新しいライバル物件は絶えず市場に登場してくるため、それらの物件とまた比較検討されてしまうことになります。

後から来たライバル物件の方が条件が悪くなってくる、、ということはありませんから、残り5割を切っていくと、さらに動きが停滞し、募集が長期化する恐れがあります。(ここらへんの真偽は今後、データを元に検証を進めていきたいところです。)

 

ですので「残りモノ指数」が少なくなってきたタイミングは募集条件を見直すきっかけになると考えています。

 

番外編:「サイト別分析」の残りモノ指数から、SUUMOの特徴を分析してみる。

一つ数字を見ていて面白いことに気づいたので共有します。
「残りモノ指数」は「サイト別分析」のページにも表示されるのですが、

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上記画像は、神奈川県鎌倉市でのとある条件の分析になり、登録後30日が経過した時点のものになります。

 

全体としては「残りモノ指数」は53%ですが、サイトによってばらつきがあることがわかります。

SUUMOは掲載物件数が最も多いのですが、「残りモノ指数」が53%です。

一方、他サイトは物件数は少ないですが、「残りモノ指数」は平均より低くなっていて、例えばいい部屋ネットは25%、CHINTAIは0%となっています。

 

・・・数字を追っていくうちに、このような傾向が他条件の分析でも多く見られることに気づきました。

そこでふと思ったのですが、SUUMOは集客力が最も強いメディアといえるので、多くの仲介会社さんからたくさんの物件が重複しながら掲載されることが多いです。ですので明らかに競争優位性がある、引きの強い物件であればSUUMOの掲載だけで決まることも多いかと思いますが反面、そのような物件の陰に隠れて放置される物件もそれなりにあるのではないかなと。(なので残りモノ指数が一番大きいことが多い。)

 

さらに、例にあげた鎌倉エリアの徒歩圏内物件は老若男女問わずに人気が高く、色々な接点で物件検索される方がいます。そういう場合は、一社のみにお願いするよりは複数の仲介会社に依頼を出し、幅広く掲載面や紹介接点を作っていったほうが決まる速度は断然早まります。(在庫不足がちなエリアでは両手取りできる大家直物件は貴重なので、どこの仲介会社も大事にしてくれます。)

 

一般的に、SUUMOやathomeに掲載物件数は集中してしまいますが、それ以外のサイトでも回転が良い(=「残りモノ指数」の減少が早い)場合、それらのサイトにも掲載を広げていったほうが良いなと考えるようになりました。

 

「残りモノ指数」は条件登録/条件変更でリセットされる

 

ちなみに「残りモノ」指数は、条件登録/条件変更されるたびにリセットされ、100%からスタートになります。

だいたい空室は数ヶ月もあれば埋まってしまうと思いますし、また次回に別部屋の退去が出て、新しく募集動向をウォッチしていきたいときなどは物件情報を再編集することになると思います。

そのタイミングでまた「残りモノ指数」はリセットされ、100%から計測されていくことになります。

 

最後に:空室募集中でなくても登録/利用は自由です

チェックルでは、登録物件が自分の持ち物でなくても登録は自由にできます。現在満室中の方でも、適当に気になる物件を登録し、競合条件で自分の物件のライバルとなりそうなものを設定して、データを蓄積していく(※)ようにしましょう。

 

※物件データは都度、各サイトに取りにいくようになっており、過去のデータを遡って確認することはできません。ですので早めに自分の保有物件エリアの条件登録を行い、時系列変化なども追えるようにデータ蓄積をされることをお勧めします。