パパとRE-tech起業と不動産運営と

25歳から10年以上大家してます。今まで6棟購入⇒4棟売却済。郊外築古APから都内新築へシフトしてます。1年前から専業大家に転身し、現在は大手賃貸ポータルサイトの空室募集状況を簡単に分析できる、大家さんのためのサービス「チェックル」https://checkru.jp/ を運営中。サービス開発と不動産運営の合間に感じたことを世界の片隅からつぶやきます。

多様化するニーズ特化型賃貸メディアを調べてみる

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checkru.jp

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先日、下記記事の中でターゲットセグメントされた掲載メディアによって反響が激増したことを書いたのですが、R不動産やGOODROOM,R-STOREといったリノベーション&デザイン特化型メディア以外にどのようなものがあるか調べてみました。

 

paparere.hatenablog.com

①シェアハウス専門メディア

www.hituji.jp 

www.social-apartment.com

ここらへんは有名ですね。 シェアハウスに特化したサイトです。おしゃれな物件も多く、見てて飽きません。

 

都心中心部の好立地にある洗練されたデザイン&設備のリッチ型なものと、都内へのアクセスに優れた郊外型の安コスト型の2極化している印象があります。割と広くカバーしているひつじ不動産と、前者に特化しているソーシャルアパートメントが代表的でしょうか。(ソーシャルアパートメントは一般掲載はできないと思いますが好みだったのでつい・・・)。

 

自分も若い時にシェアハウスを友人としましたが楽しかった記憶しかないので、また生まれ変わっても独身時代はシェアハウス住まいをすると思います。 

DIY物件専門メディア

www.diyp.jp

最近ニーズが高まっているDIY可能物件を集めた専門メディア、これもやはり能動的な住まいづくりを賃貸住宅で楽しみたい人が増えている一つの証でしょう。

自分も実は千葉に持っていた物件をDIY賃貸サイトで募集したことがあります。築古物件で客付けに相当苦労していた全空の物件を丸ごと一棟お貸しします!という感じで。でもさすがにハードル高かったのか、全然反響が無かったですけど。。まあ自分の物件はさておいても、まだ来訪者数が限定的で、入居付けを現実的に期待できるサイトは少ないかも知れません。ただ国交省DIY型賃貸を今後積極的に推進していくとの話もあり、このカテゴリも盛り上がっていくかもしれません。

住宅:DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックの作成について ~個人住宅の賃貸流通の促進に向けて~ - 国土交通省

 

こちらにその他のDIY賃貸物件サイトがまとめられています。大御所のR不動産やR-STOREも、DIYカテゴリ作って割と積極的に取り扱っているようです。

【随時更新】改装可能な賃貸物件を扱った不動産検索サイトまとめ | MAD City:松戸よりDIYと暮らし、物件情報を発信

③猫OK物件専門メディア

neko-beya.com

ペット可能物件はよくあると思うのですが、世の中のペット可物件はほとんどが「犬」を前提にされており、猫はその特質(爪とぎで物件が傷むことや匂いがきついこと)から許諾されづらい、と聞いたことがあります。

 

世の中に猫愛好家は数多くあれど、賃貸難民になる人はとても多いそうで、そこに注目した特化メディアや物件開発などが今、活性化してきていると感じています。

www.rakumachi.jp

自分も過去に郊外の物件をペット専門物件としてリノベーションして運営していたのですが、入居問合せの業者さんも「猫なんですけど、、厳しいですかね。」みたいな感じでなんとなく恐縮しながら問合せしてきていたのを思い出し、ペット専門ではなく猫専門まで踏み込んで運営してみても良かったかなと思ってます。

 

ただ記事にあるように、単に猫OKとするだけだと、近隣クレームや退去時の修繕がえらいことになるので、結構対策が必要そうなので、きちんと調べてから判断したほうがよさそうです。

高齢者OK物件メディア

高齢者特化型の客付けメディアというのも登場しています。

r65.info

 

サイトを見ると、下記のような検索テーマが大きく取り上げられてます。

「病院が近い」とか、高齢者専門サイトならではの検索テーマですね笑 

f:id:paparere:20170722172641p:plain

こちらの記事をみると、需要はかなり高いようです。

www.zenchin.com

 

現在、月に5件ずつ新規物件を登録しているが、都内であれば6割が2週間以内に入居が決まるという。中には、神奈川県川崎市小田急線「新百合ヶ丘」駅からバスで15分の場所に立つ単身者向け物件も登録後すぐに入居者が決まったケースもある。また、普通は決まりにくい1階の部屋が階段の上り下りの必要がないため成約しやすい傾向がある。

 

確かにこれから高齢者人口が増えてくる時代を考えると、このようなサイトの出現は時代要請に沿ったものなのかも知れません。高齢者がターゲットということで、債務保証や事故&病死リスクなどをヘッジしていくような付帯サービスをこのようなサイトでの付加価値として期待していきたいところです。

あとは単純に、ネットが苦手な方がまだ多いと思うので、どうやってサイト来訪者を増やせるかどうかですね。。

⑤低家賃専門メディア

www.jonan73.jp

 

格安/激安賃貸なら-東京6万以下の部屋まる。-安い優良物件多数!

SUUMOとかHOMESとかで普通に調べられるじゃん、という気もするのですがひとつの例として。多分、低家賃物件は客付け業者から見ると「手間ばっかりかかって儲からない」案件で、希望者への応対の優先順位は自然と下がってしまうと思います。そこを逆手にとり、あえて好立地低家賃をうたうことで入居希望者を取り込もうとしているのがこのポータルサイトの狙いなのだと思います。

 

今までの例と違って住まいに対して消極的、というか割り切っているターゲット(「安くて勤務先に近ければそれでよい」的な)も相当数存在していると思うので、これはこれでありなセグメントだなと思いました。

考察:バーティカル(=テーマ特化)メディアに重要な「熱量」

いくつか事例をあげてみましたが、生活者がこれだけ多様な 価値観を持ちニーズも分散する世の中では、このようなバーティカル型メディアというのも、うまく市場を見つけられれば成長の余地があるなと感じます。

現に、SUUMOやHOMESなど総合メディアでも、「猫OK」とか「DIY可能」とか検索はできるようになっていますが、このようなサイトは淘汰されることなく、むしろ勢いを増してきています。

なぜかというと、やはりそのカテゴリニーズに沿った専門的な物件紹介の仕方や、検索方法などがあり、それが総合メディアだと対応しきれないから、というのがひとつ。

あとは純粋に見てて楽しいんですよね。運営者のそのカテゴリへの愛を感じるというか、物件紹介のディティールにも熱量がこもっていて、それはそのコミュニティの住人であればすぐわかるし、とても共感できる。結果として、そのサイトを「応援」したい気持ちが沸き起こり、ファンとして頻繁に来訪してしまうのだと思います。

そのサイトが持つ熱量というものは、結構重要な要素だと思います。 

考察2:物件開発やコンサル業務などの上流工程への進出や、コミュニティ育成による派生ビジネスの展開

あと、ビジネスドメインを賃貸仲介から広げ、テーマに沿った新規物件の建築開発やコンサル支援などの上流工程に入り込んだり、逆に元々工務店ビジネスから逆流して、メディア展開していくような例が多いと思います。(例えばGoodRoomは元々HAPTICという収益物件に特化した定額リノベーションを提供する工務店業務が発祥で、そこから自社リノベ物件の客付けを安定化させるために自ら客付けの媒体を作るに至ったと聞いたことがあります。)

 

また、東京R不動産などは、家づくりをテーマとしたDIY物販サイトを始めてどんどん拡大していたり、行政と一緒に街作り(特に地方創生)を仕掛けていたり、もはや賃貸メディアの枠組みを大きく超えて動き続けています。

www.r-toolbox.jp

R不動産の躍進をみていると、テーマ特化型はニッチなメディアだなんて言えないですよね。 

考察3:掲載する側は中途半端に参加しない。やるならそのメディア運営者に積極アプローチして「推し物件」となるくらい「やり切る」。

逆に掲載依頼する大家側から考えると、安易に考えて参加してもあまり効果はナイトと思います。ただ空室を埋めたいから現状のまま「猫飼育可能」「DIY可能」としても、反響は薄いでしょう。

 

理由としては、この手のメディア側がまだ発展途上なことが多く、十分なユーザー数を抱えていないことが多いためです。やはりそのメディアの真ん中にくるような”推し物件”になるくらいでないと、注目は集められないと思います。

 

なのでやると決めたら、掲載メディア側にコンタクトを取って、相談しながら一緒にそのメディアのコンセプトど真ん中の物件に仕立てるくらい、やりきったほうが良いと思います。メディア側としてもそれくらいの度量のある大家さんのほうが色々と協力もしやすい(し、自分のメディアのネタにもしやすく取り上げやすい)。

中途半端に猫可能とかDIY可能とか高齢者OKとかしても、物件のコンセプトはぶれるだけですし、あとから他入居者からクレームをもらってしまう可能性も大きいです。

だから中途半端に参加するのではなく、やり切る。これが重要かなと思った次第です。

 

自分も運営者視点で、いくつか有望なテーマを思いついたので、機会があれば試してみたいなと思います。

 

 

ブログの合間にサービス開発をしています。
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