パパとRE-tech起業と不動産運営と

25歳から10年以上大家してます。今まで6棟購入⇒4棟売却済。郊外築古APから都内新築へシフトしてます。1年前から専業大家に転身し、現在は大手賃貸ポータルサイトの空室募集状況を簡単に分析できる、大家さんのためのサービス「チェックル」https://checkru.jp/ を運営中。サービス開発と不動産運営の合間に感じたことを世界の片隅からつぶやきます。

賃貸住宅フェア2018の振返り

こんばんは!

すーっかりご無沙汰してしまいましたが、

チェックルの開発運営に試行錯誤しながら日々生きています。

そんな中、今年も「賃貸住宅フェア2018」に2日間行って参りました!

 

フルタイムで仕事している時だとなかなか平日のフェアに参加するのは難しいのですが、今年もがっつり2日間行ってみて改めて、短時間で業界動向をかなり広範囲に把握できるのは賃貸住宅フェアならではの大きな利点だと感じた次第です。

特に、今年から大家さん向けのサービス運営を行う身になったこともあり、大家視点に加えて事業者側視点でもイベントを見渡すと新たな学びもあり。

 

このような大規模なフェアを複数都市で毎年、無料開催している全国賃貸住宅新聞社の人たちには大変感謝です。

ざっくりと興行計算してみるとそれはまあ儲かるよなーというところはあるのですが(ビックサイトの場所代はこちら、そして出展料金はこちら、 それが200社300ブース以上が出展されているので、、、ほうほうふむふむ)、出展者寄りにならず、来場者側が期待している内容に切り込んだセミナー群や、パネルディスカッションなど盛りだくさん用意してくれていて、なんだかんだ勉強になることは多いなと感じました。

 

他の大家向けのフェアもいくつか覗いてはみたのですが、やはり規模的にも内容的にも一線を画していますし、ぜひこれからも続けていって欲しいイベントです。(ちなみに楽待や健美家はこういうのなぜやらないんだろうか。不思議です。)

 

それでは、Twitterでの振り返りを元に1日目、2日目に見聞きしたことや感じたことの振り返りをしていきたいと思います。

 

① ネット集客サイトの多様化が進む。

ウチコミやR65、GOODROOMなどのセミナーはどれも盛況で立ち見が出ていました。またDIYP、SPACELISTを展開するPAXもブース出してましたし、エイムズなどもマンスリーマンションのマンスリー百貨などを運営しはじめていました。スペースマーケットも共同ブース出してたような気がします。

 

エアビーなどの影響もあり(民泊は大変なことになっていますが、、、)、大家側が直接募集したりするのにだんだん抵抗もなくなってきてますし、第空室時代が待ち構えていることを考えると集客への注力はますます高まっていきますよね。都市部であれば、エッジのたったサイトによる集客手段はかなり有効な水準にきていると思います。

それにしても、インスタで集客はじめている大家さんの話を初めて聞き、ついにインスタ大家の時代か、、、と胸熱になりました。

個人的には、特にR65のようなこれからのマーケット拡大が確実視される高齢者カテゴリは注目しています。 サ高住ほどのスペックではないけれど、高齢者向けに少し住みやすくしたり、見守りサービスをパッケージングするだけでもかなりのニーズがありそうだし、受け皿がまだまだ不足していそうです。

 

VR内覧やセルフ内覧、電子契約など内覧〜契約の省力化も進む。

結構多くの人のつぶやきでもありましたが、ブースでいくとVR内覧が目立って盛り上がっている印象でした。もうフェーズ的には普及段階に入ってきている感じですね。スマートロックも複数社出展ありましたし、電子契約関連のサービスもそれなりにでてました。

 

  IT重説の解禁なども含めて、今、仲介会社側の大きなトレンドの一つは、集客後の内覧〜契約までのプロセスの省力化なのだなと。特に日本エイジェントさんの「スタッフレスショップ」の全国展開や、タクシー案内などの取り組みは非常に印象的で、明らかに仲介会社の将来像をそこに置き、生き残りをかけて逆算的にひとつひとつ取り組みを実現しているようでした。

 スマートロックで先頭を走っているライナフも、ニンジャロック単体を売るというよりは「セルフ内覧」というキーワードを打ち出し、スマートロックを活用した内覧の省力化システムに傾注して展開しています。

 

1日目、一番面白かったのがこちらの仲介会社の未来像を占うセッションだったのですが、この中でアートアベニューの藤澤社長は、すでに成約全体の6%がセルフ内見によるものになっていることや、セルフ内見の申し込み中50%が成約に至っていて高確度であること、またスタッフに同行して欲しい人は7割いるものの、セルフ内見の場合は手数料割引があるという条件だと82%がセルフ内見を希望する、というアンケート結果などを話されていました。

自分的の感覚的にも、上記はかなり納得がいくものです。

このように、仲介プロセスの省力化は仲介側も入居者側も求めているものなので、ここはテクノロジーの力とルール改正でかなり急激な変化をしていきそうだなと思います。きっと5年後あたりの部屋探しの形は今とすっかり変わってしまっているような気がします。

 

③仲介の未来 〜「管理会社の客付化」と仲介手数料の行方〜 

上記セッションでは他にも印象的な話がいくつかありました。

一つが、「先付け業者はどんどん存在価値をなくすだろう」という話。
そもそも空室募集のプロセスに元付と先付の2社が存在する高コストな構造はいつまでも続くとは考えづらいですよね。なので、インターネット集客が当たり前になり、さらに省力化の流れが起きれば、管理業務と仲介業務の一体化が進み、中長期的には管理会社の客付化が強化されていくことになり、現在の先付けはかなり集客力に特化したところ以外は淘汰されてしまいそうです。

一方、先付け会社も将来を考えて管理業務を取りにいかないと、、と考えてくると思います。そうすると、いつまでも集客で怠慢している管理会社が逆に淘汰されていく、ということも起こりそうです。つまり仲介は客付も管理も両方できないといけない。

 

また、ちょっと衝撃的なところでいくと、パネリストの方々は「ここ5〜10年で、手数料を入居者に請求するのは難しい世の中になるだろう」とも話していました。

な、、、なんということでしょう。

でも確かに、人口減って部屋あまりの時代、ただでさえ入居時の総額が高くなりがちなことを考えると、また管理と客付の一体化が進んでいくと、手数料というのはもはや入居者には請求できず、大家側が支払うのが当たり前になる時代になっていくのかもしれないですね。 

このような未来に対して、我々大家はどういう準備をしていけば良いか、考えないといけないですね。

そうすると、前半で話したような、大家自らがインターネット集客を行なっていく新しい形のポータルサイトのニーズも高まり、さらに多くのサービスが生まれていくかもしれません。

現在のECサイト運営の集客に、SEOやリスティングやSNSやメルマガや動画などの多様性があるように、空室募集にもそのような多様性が生まれてきそうで、新しい集客サイトをどのように活用するかは色々な正解が生まれてきそうです。

 

 長くなったので、また続きは後日にします。