パパとRE-tech起業と不動産運営と

25歳から10年以上大家してます。今まで6棟購入⇒4棟売却済。郊外築古APから都内新築へシフトしてます。1年前から専業大家に転身し、現在は大手賃貸ポータルサイトの空室募集状況を簡単に分析できる、大家さんのためのサービス「チェックル」https://checkru.jp/ を運営中。サービス開発と不動産運営の合間に感じたことを世界の片隅からつぶやきます。

話題の「ウチコミ!」で、現役大家みずから入居者を募集してみた結果…(良い点・悪い点)

 

最近評判になっている、大家さんが直接入居者を募集ができるサイト「ウチコミ!」を使ってみました

ウチコミは、大家さんが自分の空室物件を登録し、入居者を募ることができるサービスです。

特徴としては、

  • 大家側は掲載費用がかからず、賃貸物件情報を何件でも登録でき、好きなようにアピールすることができる。
  • 入居者側は仲介手数料無料で部屋を契約することができる。
  • エージェント(不動産業者)が間に入るため、内覧案内や契約手続きなどはプロが介在するので安心。
  • 成約時に大家は手数料として家賃1ヶ月分をエージェントに支払う
  • 今のところ、関東圏と関西圏でのサービス展開。

などがあげられます。(詳細は仲介手数料無料のお部屋探しウチコミ!とは参照 )

 

 

<空室に困っている大家さん、こちらの空室募集分析サービスもお勧めです。 >

 

SUUMOやHOMESなどの賃貸ポータルサイトに掲載するためには広告料を支払う必要がありますし、そもそも不動産業者でないと掲載ができません。また掲載情報もスペックの羅列で差別化しづらいです。
 

その点、ウチコミは掲載料無料で物件紹介を自由に登録でき、掲載写真も豊富に載せたり、大家からの特別提案(オファー)を設定したり、入居者からの問合せに対しても大家自らが柔軟にチャット対応できます。

 

また、エージェントという形で不動産業者の方が内覧案内や契約手続きを行ってくれるため、自主管理ですべてを自分で対応するような面倒さはありません。そういう点ではかなり大家目線で便利なサービスと言えます。

 

入居者からしても、大家の人柄も含めて物件情報を見ることができますし、何より仲介手数料無料です。大家直なので、家賃や諸条件の交渉もやりやすいです。

 

というわけで、最近は利用者数が増えてきているようで、今では大家さんが4,000名ほど、入居者の会員登録はすでに※25,000人以上いらっしゃるとのことです。(セミナーでお聞きしました。)

(※2018年9月時点で会員登録者数は36000人超えていました)


私が知りうる限り、賃貸物件に特化した直接募集系のサイトでは最大級だと思います。あとは専門ではないですがジモティくらいでしょうか、有名度でいえば。

 

というわけで、6月に自分が保有している鎌倉の物件で空室が出たので、良い機会と思いウチコミを初めて利用してみることにしました。

 

登録手順

サービスの利用自体は難しいことはなく、無料ですぐに始めることができます。

サイトから大家さんとしての会員登録を行うと、このようなマイページで物件情報の登録や管理、入居希望者やエージェントとのやり取りが可能になります。

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またこのページには大家さん向けのセミナーイベント情報や各種のお役立ち記事なども豊富にあり、結構みていて空きません。

 

空室情報の登録は、最初は結構大変に感じるかも知れません。何せ、入力項目は100前後ありますので。いつも募集依頼を行っている管理会社の方達は、こういう風に物件情報を自社サイトやポータルサイトに登録しているのかと思うと、頭が下がります。

写真も最大で30枚程度アップすることができるので嬉しい反面、アップロードする手間がかかり面倒に感じました。

 

それらがやっと終わり、物件情報を登録し公開すると、物件近くに所在している「エージェント」が自動的に設定されます。

 

物件に入居希望者の方から問合せをいただくと、すぐにエージェントと内容を共有できるようになっており、大家さんが直接対応することなくエージェント側で内覧案内や契約手続きをまとめたりしていただけます。(対価として、大家側が成約時に支払う仲介手数料1か月分は、丸々この仲介業者の方に渡されるそうです。)

 

※となるとウチコミ側の収益源は?と思うのですが、彼らはエージェントから月額固定でサービス提供料?を徴収しているようで、それが彼らのいまのところの主な収益源となるそうです。

 

使ってみてよかった点

①閲覧者などの数がわかる。

自分がウチコミを利用した中で1番良いなぁと思った機能は、自分の物件情報のPVカウンターでした。物件登録をすると翌日から、1日ごとのページ来訪者がわかるのです。これが私にとっては手ごたえを感じられて地味に嬉しかった

大家さんは、自分の物件がサイト掲載されてどれぐらいの人に読まれ、問合せがどれくらいあるか、といった反響数を直接把握することができません。また管理会社に聞いても、「ああ、あまり見られてないですね~」とか「問い合わせがチラホラありましたが、その後連絡なしです。」みたいな程度で、あまり正確に教えてくれることはないことが多かったです。(頼めば反響数教えてくれるところもあったのですが、管理会社も手間ですし大家側も気が引けますよね。)

なので、PVカウンターという原始的な反響数ですら、わかるととても嬉しく励みになるのです。実際、私はこの数字みたさに毎日管理ページ訪れていました。

 

 ②大家が物件紹介文を作成できる

また、自分の好きなように物件紹介できるというのはとても嬉しかったです。一般的な賃貸サイトは無味乾燥すぎて、入居者側から見たらつまらないものだと思うのですが、その家の良いところも悪いところも把握している大家であれば、情熱を持ってそれをお伝えすることができます。

 

例えば、駅から徒歩20分くらいかかる遠い場所に物件を持っている場合、賃貸サイトだとそれだけで検索対象から外れて苦戦することになりますが、紹介文を工夫して「遠いけれど、幹線道路からも外れているし、すぐそばに河川敷があるので、昼も夜もとても静か。プライベートを自然の環境の中で過ごしたい人にはお勧めです」みたいな表記ができるわけです。一つ一つの物件が差別化されて魅力的に見えてくるのは良いなと思いました。

 ③入居者側からの「リクエスト機能」がある

さらに、他にはない機能だなと思ったのが、入居者が探している部屋の条件を書いてリクエストできるというものです。 大家側は、所有物件のエリアで探している入居者のリクエストを管理画面で見ることができ、自分の物件が当てはまっていればリクエストに返信したりオファーしたりすることができます。管理画面を見ると、結構入居者側からのリクエストは活発にされているようで、こういうところからうまく入居者を見つけていくこともできそうだなと思いました。

 

 

使ってみて残念だった点

 ①PV数字からPDCAが回せない

PVが把握できるのは良かったのですが、その数値が他物件と比べて多いのかどうかのベンチマークがなく、またどれくらいのPV数があれば通常問合せに繫がっていくか、のような歩留まりの傾向もわからなかったので、数字からどう判断して修正していけばよいか、悩みました。ここらへんがもう少しわかるようになってくると、大家側も募集時にPDCAが回りやすくなるので良いなと思いました。

 ②まだサイト利用者数が少なく、問合せが無かった。

 また、肝心の問合せは、掲載していた1ヶ月の間には一件もありませんでした。多分、まだ利用者数が小さいのと、自分の掲載物件が高価格帯で入居希望者側の条件にフィットしてなかったのだと思います。

 

利用者数の規模感としては、だいたい月10~20万人くらいと推定されます。SUUMOとかだと月数千万規模なのでまだ100分の1程度の規模感だと考えると、しょうがないですが差は歴然です。

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https://www.similarweb.com/ja/website/uchicomi.com

 

マッチングサイトである以上、そのサービスのよしあしは利用者の多さに依存すると思いますので、この規模感でもまだ、入居者にとっては物件数がとても少なく感じられ、大家にとってもまだまだ反響的に満足がいく規模感では無い、というのが現状だと思います。

 

③客付けに苦戦している物件が多そう&入居者も費用重視で交渉激しそう。

これは推察なのですが、このように直接募集サイトを使う大家さんの物件は、客付けに苦戦している(通常手段で空室が埋まらないからこのサービスを使っているわけで)ことが多いと思いますし、実際、掲載されている物件もそういうものが多いように感じました。

逆に入居者側も費用負担を減らしたい、大家さんと直接交渉したいというニーズがあるゆえに利用するので、所得や属性的に少し厳しめの方も多いのかなと感じました。

 

なので、物件はそこそこで良い代わりに、家賃や諸条件での要求が高い入居者をターゲットとするなら、このようなサービスを積極的に使っていいと思います。

自分は反響ゼロでしたが、このサービスを経由して複数客付けを成功させている大家さんもいらっしゃるとのことでした。

 

使ってみての感想

欧米では、仲介業者を経由しない直接契約がオーソドックスで全体の8割程度を占めているそうです。日本はある種、大家が面倒がって管理会社に丸投げしてきたわけですが、インターネットがここまで発達すると、単純なマッチングに不動産業者が2つも入る必要は相当薄れていると言わざるを得ませんし、実際に入居者側も仲介手数料(や礼金や更新料など)という存在に疑問を感じ始めています。一方で大家側も、不動産任せでブラックボックスになっている客付けに対してもっと可視化していきたいと感じている人が増えています。

そういう意味では、このようなサービスは今後、さらにニーズは高まっていくと思いますし、遠くない将来、直接契約で入居する人たちはもっと増えていくと思います。

 

大手参入などのシナリオもありうると思うので、ウチコミがこのカテゴリでNo.1のままとは限らないですが、ウチコミはビジョナリーというか理念がしっかりしていて、「搾取のない公平なサービス提供を目指してる」とうたっており、大家側目線にたったサービス提供をしてくれていると感じますので、応援していきたいですね。

最近、広告出稿も積極化しており、利用者数も増加していると感じますし、これからに期待しています。

 

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とはいえ自主管理は面倒だし、 集客力のあるポータルサイトを募集したい、という方はこちら。自分の空室や近隣の競合物件の募集状況を自動でレポートしてくれます。

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